アトリエ　訪問

やまゆりの さん

☆やまゆりのさん「これまでコレカラ」を語る…

コロナ禍になってもう1年以上が過ぎます。私が志木市の新居に引っ越したのは2020年1月19日でしたが、その頃はまだニュースの一つで危機感はなく、翌月に名古屋の松坂屋で行う二人展の準備に励んでいました。2月になり、友人と名古屋に向かい、最初はいつものように接客をしていましたが、イベント開始2日目か3日目に愛知県で初のコロナ感染者が出たんです。そうしたら、店員さんをはじめ周りの方がマスクをし始め、一気に緊迫感が増しましたが、ここまで長引くとは考えもしませんでした。それで、3月に入り緊急事態宣言が現実味を帯びてくると、予定していたイベントが中止や延期になり、私も友人と一緒に企画していたデパートの期間限定ショップも話し合ってやめました。
そして、緊急事態宣言が出た4月から5月にかけては家からあまり出ず、SNSで絵とか物語を発信したり、自作品を飾ってある自宅のアトリエ兼ギャラリーをオンラインで見てもらったりと、ほとんど在宅ワークを行っていました。でも、夏を感じる頃になると、まだまだ危機感はありましたが、私自身が動かなくてはと思い、7月に大宮高島屋で二人展を開催。しかし、その頃、東京ではコロナ感染者が300人を超えたのを覚えています。だからこそ会場へ足を運んでくれたお客様には感謝しかありませんでした。ただ、テレワークが多くなったお陰で人々にフリーな時間が生まれ、SNSでしか知らなかった方々と会場で直接お会いできるのは嬉しかったです。同時にコロナ禍だからこそ、人の心を癒す力のあるアートの重要性を実感しました。それは絵だけだけでなく、音楽も演劇も映画も何もかもという意味です。事実、「こういう時だからこそ！」と言って作品購入するお客様は多かったですよ。
そして、京王百貨店新宿店で2020年8月13日から8月17日まで初開催の「新宿ことりまつり」にも出展。暑い時季に久々の「鳥」の催事は、どうかなと思っていましたが、すごく盛況でした。私も14日から最終日まで在廊しましたが、鳥好きのエネルギーをとても感じました。あと、かなり個人的なことですが、暑い時にマスクをしての接客や実演は酸欠状態で息苦しくて大変でしたが、もう慣れてしまって今夏の「新宿ことりまつり」が楽しみです（笑）。
その後もバタバタした日常が続き、10月13日から18日までは埼玉県立近代美術館で「絵描き文鳥 やまゆりのART展」、同時期にハロウィンテーマにした個展「文鳥たちのカボチャのダンス」を上野のことりカフェでも開催。また、県立近代美術館の個展が縁で埼玉県の蕨市立第二中学校へ6点の絵画を寄贈と、7月からは例年以上にタイトな日々が続きました。それは今年になっても変わらず、3月26日から28日まで大阪のホルベインギャラリーで行われた世界遺産首里城復興プロジェクト「100人をつなぐ展」～首里城の瓦の再生～に出展したり、直近では6月1日から7日まで横浜そごうで個展開催と、ちょっと緩くはなりましたが、ありがたいことに忙しさは継続しています。
ただ、コロナ禍になって自分が変わったことがいくつかあります。まず、作品制作を会場等で依頼された場合、以前は数時間で描くこともありましたが、今は数日間の余裕をいただくようになりました。そうすることで、より良い仕上がりになると自然に考えたからです。
あと、これまでは鳥や動物が主なモチーフでしたが、最近は花や植物にも興味が出てきて、自宅でバラやサンパチェンス等を育てています。だから、将来的には鳥や動物と花が絡んだ作品もこれまで以上にう多く生まれる予感がしています。そうそう、あとコロナが収束したら、絶対にやりたいことは、自宅のアトリエ兼ギャラリーを、友人知人に公開したいです。そう思って、建築士の夫にピクチャーレールをつけてもらったんですから（笑）。