アトリエ 訪問

 

☆新企画「これまで コレカラ」☆

スナップフォトを作品とする関大介さん。
街がアトリエということで、ご自宅の近くで三密を避けつつ、作家としての「これまでとこれから」についてお話を聞きました。

関大介(せきだいすけ)さん

関大介さん、自宅のご近所で…

☆関さんの…
これまで :

カメラマンになったきっかけについてカンタンに触れると、間接的には父がカメラマンであったことが影響していますが、直接的にそれに憧れてこうなったわけでもありません。直接的なきっかけとなったのは、ちょっとしたブラック企業に勤めてしまった結果、週末は気分転換に街スナップをするようになって、その撮り溜まった写真が当時まだ銀座にあったコダックフォトサロンに運よく入選し、会社を辞める決断にもつながる個展を開かせてもらったことだと思います。これも写真家になりたくて撮っていたわけではないので、結果的に若気の至りの延長線上に現在の姿があると言ってもいい気がします。よくわかりませんが、きっと命拾いはしたのでしょう。
仕事としては雑誌のお仕事を数として最も多く経験していますが、その他現在まで長く続いているお客様は、記念撮影であったり、イベントや商品の撮影であったり、また写真に関する原稿の執筆であったり、変わらずお付き合いさせていただいているのは本当にありがたいことだと感じています。アート的な面での写真も現在まで特に変わらず、というか奥が深すぎて基本的には街スナップのままです。さまざまに揺れ動く情景に対してフレーム内の瞬間を切り取ることに主眼を置いていますが、被写体としては動植物や水面、工業製品全般などを愛でている印象です。光は逆光条件の方が面白味があって好きですね。

これから:
新型コロナウィルスの影響があまりに大きく、先の目標を立てるのに見通しが困難な局面だとは思いますが、差し当たって困っているのは、外出自体がむずかしくなってしまったことです。幸運に撮れるときも、マスクやメガネが邪魔なので背面液晶でフレーミングしての撮影が多くなりました。とにかく、写真を撮りに行くときには、偶然というか必然というか、要は自分の意志や狙いとはあまり関係なく、なんとなく行くことになったロケーションでチャンスを窺って撮るのですが、そういう方法が採りにくくなってしまいました。弘法大師の言葉に「虚往実帰(むなしくゆいてみちてかえる)」という一節があるようなのですが(自分の好きなお寺に書いてあった言葉なので詳細はわかりません)、同様に自分を超える何かに身を委ねて無心で赴いてこそ、何かを得て帰ってくることになるだろうというのが私にとって街スナップの醍醐味なので、外出の機会が少ない今は何か違うことに集中すべき時期なのでしょう。例えばインスタに旧作をアップするとか、写真講座のネタをわかりやすく整理するとか…。さまざまな事態に対応できるよういくつか方向を考えないといけませんね。一応、使用機材は腕時計に至るまで全てピカピカに磨いておきましたので、時が来たときにはすぐ動き出せるよう、いろいろと準備をしておきたいと思っております。

*2020年4月16日にインタビュー

プロフィール

関大介さん
写真家
1977年東京生まれ。 牡羊座、B型。
高校から慶應義塾。 2000年、政治学科卒。
2002年、銀座コダックフォトサロンにて個展開催。 以降、家業でもあるフォトグラファーとして活動中。 ミーツアートクラブ会員、ART-Qメンバー。
2020年2月発行の月刊誌『エストレーラ』(公益財団法人統計情報研究開発センター)で連載中の「職業写真家のカンタン写真講座」が100回を迎えた。連載は継続中。

撮影の様子 春紅葉  港にて  連載記事第100回 

 

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