6月初旬、仕事帰りの坪井美保さんに横浜市中区蓬莱町3丁目にあるカフェダイニング プラスで会い、インタビューを行いました♪♪
アトリエ 訪問
坪井美保(つぼい みほ)さん
☆坪井美保さんの
敬愛する作家 :
私の父の兄、伯父で画家の大村六郎です。
どれくらい好きかと言うと、イザと言う時の「ノア」ではなく私の「箱舟」に両親、妹と一緒に絶対に乗せたい存在でした。
伯父とは、私が20歳まで暮らした鎌倉で隣に住み、幼い頃から可愛がってもらい、芸術面を主に大いに影響を受けました。
その伯父は、徴兵され戦地にも行ったので、生まれは昭和一桁、東京芸大のデザイン科を卒業したけれど、普通に働くことはほとんどなく、稀な商才があり戦後の高度成長期とあいまって生活はかなり豊かでした。
交友関係も広く、画家の藤田嗣治さんや俳優の仲代達矢さんともお付き合いがあったようです。
加えて、生き様もユニーク、生涯独身を貫き、あの時代に幾度となく海外渡航してアート作品等を購入、ニュージーランドに住んだりしていました。
国内でも飛騨高山の合掌造り一棟を買い、全て解体して鎌倉に移築、そこで悠々自適に暮らし、生活全般を自分の感性そのままを具現化していたようです。
従って作品も廃材や粘土を使った立体物、段ボールによるコラージュ等から油絵まで、立体、平面、具象、抽象、何に囚われることはなく、世の全てが制作対象でした。
そうして出来上がった作品を、私は子どもの頃から見続けてきましたが、今は手元にある大好きなツワブキの絵も含め、どれも魅力的でした。
しかし、伯父は自作品を人にあげることはあっても、売ることは一切せず、展覧会さえ一度も行いませんでした。
生涯、絵の表舞台に出ることなく、ただただ好きな絵を自分のペースで描いていたかったのだと思います。
そうした表現に対しての純粋で真摯な姿勢に私はアーティストとして心底惹かれ続けています。
変人で人との関わりが苦手な伯父でしたが大好きでした。
こだわり :
人生は一回きりだから、悔いのないように胸の中にあるものをカタチに、言葉にしていきたいです。
だから、制作のスタイルを持ちません。立体、平面、具象、抽象、何をどう描いても、坪井美保の作品なのだから。
気が付けば伯父と同じ感覚ですね(笑)。
その私がこれから挑みたいのは、大きな立体作品である建築。
自分で設計したアトリエを鎌倉に建てるのが目標です。
そして、子どもも大人も、障害があっても無くても、アートを楽しむことで希望を持って生きていける、そんな拠点を創るのが夢です。
*取材協力:cafe/dining PLUS