風貌、作品共に存在感を示すカブキさん! 8月の昼下がり、ホームグランドである横浜市陶芸センターでインタビューを行いました。
アトリエ 訪問
小池カブキ茂秋(こいけかぶきしげあき)さん
☆カブキさんの…
好きな作家 :
某重工在職時、私はプラント建設のため日本各地に長期滞在する仕事に携わっていました。
お陰で北は仙台から南は沖縄まで日本各地約15ヶ所の窯場を観光目的ではなく、至近距離で訪ねることができました。
中でも兵庫県の宝塚にいる頃は、丹波立杭焼の先生からは数回にわたって直に教えていただくことができました。
しかし、陶芸の先生というと、普通の人は重い雰囲気の人物を想像するかもしれませんが、やはり人は十人十色。
福井県で出会った黒く締まった品のある器を作る陶芸家の笑顔で軽妙な語り口は、作品の風格とは真逆で、今も記憶にしっかり残っています(笑)。
そうした出会いをしてきたので、好きな先生を限定するのは私には難しいです。
ただ、1900年代に日本でも活動したイギリス人陶芸家であり、画家やデザイナーとしても知られたバーナード・リーチの著作から、陶芸作品を土から作り上げるための工程を教えた記述の中で「作育(さくいく)」という言葉を知り、自分なりに解釈をして、最初の成型段階で心が通わなかったら、納得いく作品は、私にはできないと思い至りました。
こだわり :
私の場合ですが、勤めながらとは言え、30年以上も陶芸を続けていると、湯飲み→丼ぶり→皿といった工程での人真似も何巡かし、やり尽くした感があります。
そうなると、次に自分だけのオリジナリティーを求め始めるワケです。
で、何をするかと言えば、絵柄をつけず一点物にこだわる私は、独自の模様を編み出すために道具を考案して手作りをし、他業種の道具、例えば数年前には、可愛い菊や桜の模様ができる和菓子らくがん用の道具を手に入れ、それらを現在ではおおいに活用していますが、こうした工夫を重ねて現在のカブキ色は出ているのかなと思います。
また、制作のヒントは、テレビ等、日常の情報の中に転がっているので、そこからくみ取れば問題なし。
とにかく、完成品を頭の中でイメージしながら作るのは実際の作陶よりも楽しく、それができなければ納得いく作品ができないことがわかったので、酒を飲むのも忘れるぐらい陶芸が面白くなっています(笑)。